里山ブルー
朝は、向こうの山々の稜線を緩く溶かすように光を抱いてやってくる。
呼応するように、眠るベッドの後方から、鳥が低くさえずり始める。
夜明けの、外界が色を取り戻す気配に揺さぶられるのか、
鳥のさえずりを待っていたのか
大原にいるとほぼその時間帯に目が覚める。
朝露を湛える外の様子をぼんやり眺めながら階段を降り
コーヒーを淹れるために湯を沸かす。
前日、野山にでて様々に身体を使っているはずなのに
不思議と元気になっている。
ミニチュアダックスのクロを起こさないように、そっと外に出る。
夜が最後に残す色なのか、青っぽい空気に屋敷が包まれる。
6月から7月にかけ、屋敷周りの植物はそれぞれに青や紫を含んだ色の花を咲かす。
ムラサキツユクサ、あじさい、菖蒲、おだまき、シギタリス、デルフィニウム、フジバカマ。
空からなのか、土からなのか、深くて力をもった青。
一日の中でこの場所が最も美しく感じる時間だ。
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