里山の岩と、その上に生える“岩苔”のこと

安塚では、苔の生えている岩をときおり見かけます。これまでなんとなく見過ごしていましたが、そんな岩苔の価値を再発見できる本に、最近出会うことができました。

造園家の高田宏巨さんが著した「土中環境」という本です。


とても興味深い内容で、普段私たちの意識が及ぶことがほとんどない土の中の環境が、森にとってとても大切だということを丁寧に教えてくれます。

その本によると、豊かな森の土の中には菌糸のネットワークが無数に張り巡らされていて、その森に生きる樹々も、根からその菌糸を介し、遠くの樹木ともコミュニケーションをとりながら生きのびているそうです。


苔の生えた岩の価値についても触れられていました。

大木が、岩に覆いかぶさる様に根を張っていることがあります。これは偶然ではなく、岩がミネラル分を土壌に対して豊富に供給してくれているため、樹木自身がその岩を好んだからなんだそうです。

そして、そんな土中にとって“良い”岩には微細な割れ目が無数にあり、水分が染み込んで、表面がしっとりと湿っています。

湿気を好む苔が岩に生えているのは、岩が土壌にミネラルを与え、森を豊かにしてくれていることの証なんだそうです。


「土中環境」という本に出会って、里山のちょっと神秘的な側面も再発見できた様に思います。

この本、とってもオススメなので、もしご興味あれば是非読んでみてください。

里山BOTANICAL

新潟のデザイン会社 U・STYLEが立ち上げたローカルブランド。上越市安塚にある小さな素材を丁寧にひろいあつめながら、里山の価値やストーリーを伝えていくプロジェクトです。

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